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翼の記憶 -追憶編-
【ファンタジー 恋愛小説】

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異変U-1

「・・・キュリオ様、お倒れになる前アオイ様に変わったことは?」






唇をかみしめるキュリオはガーラントの問いにわずかに顔を上げた。






「アオイはアレスの姿を探していた・・・いつもなら眠っている時間なのに今夜は眠ることを拒んでいたんだ・・・」






キュリオは眠るアオイを見つめたまま、苦しげにかすれる声でつぶやいた。






「・・・アレスの事をアオイ様が・・・ふむ」






ガーラントが再度アオイへと手をかざす。ガーラントの青白い光がアオイの体を包み、その小さな体を注意深く調べてゆく。






「これは・・・」






あることに気が付いたガーラントはキュリオへと向き直った。






「アオイ様の症状は力を使いすぎた者のその症状と似ております、いささか気になるところはありますが・・・・」






そこまで述べるとガーラントは口をつぐんだ。顔を上げたキュリオが驚いたような表情を浮かべたが、






「なぜ・・・聖獣の子の傷を癒したのは数時間も前のはずだ・・・この状態が力の使い過ぎによるものだとしたら・・・・」






「そこが解せないところなのです・・・通常ならばその症状はすぐに出るはず、しばらくの時をおいてこのようにお倒れになるというのは・・・」






「・・・前例がないことがこれほどに恐ろしいものだとは思ってもみなかった・・・っ・・・アオイ・・・っ」





―――――・・・






アオイが倒れてから間もなく、人の時間でいう1時間が過ぎようとしていた。その頃には彼女の呼吸や心臓の鼓動は安定し、キュリオの寝室には安堵の空気がながれた。






廊下にはカイをはじめ、王宮の重鎮や女官たちが大勢押しかけ、小さな姫を心配するあまり泣き出す侍女もいた。






「キュリオ様、ご安心を」






ガーラントが柔らかい笑みをキュリオに向けるが、キュリオの表情はすぐれなかった。





「・・・しばらくの間、私がこの子の力を封印する・・・」





「キュリオ様それは・・・」





とまどったようにガーラントがキュリオへと近づいた。





「姫様を想われるその気持ちはわかりますが・・・アオイ様についてわからない事が多すぎますのじゃ、把握しておかねばならぬことも・・・っ!!」





「私は怖いんだ、万が一にもこの子を失っては生きていけない・・・」




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